トリくん

商品説明

「トリくん」(bird)
Size: A4(21.0cm×29.7cm)
Pencil,Paper.

 

書家として活動していると師匠達が筆文字の作品の中に絵を添えたりしていた。

「絵も描いていいのか」「自分もやってみたい」

そう思い、最初は見よう見まねでカラフルな色で模様を書いていたが
本格的にポストカードを制作していくうちに動物の絵を書き始めた。

その時に1番書きやすかったのが鳥で
それに気づいてから筆文字の作品の中に無意識に鳥の絵を書くことがどんどん増えていった。

そして、絵だけの作品を書くようになってからもその感覚は変わらず。

キャンバスの作品、壁画、イベントでのパフォーマンスなど
どんな時にも自分の作品には鳥がよく出てくることに気づいた。

「どうせなら自分が本当に納得したオリジナルな鳥を生み出したい」

過去に何度もそう思い試みてきたが思うようにはいかず、何度も挫折した。

「自分には鳥をメインに、鳥だけを作品にすることは向いていないんだろう」

そうやって自分を騙して誤魔化し、努力するのを辞めてきた。

そして今年「これで最後だ」と思い
最後の「トリくん」へのチャレンジ。

たくさんの時間、たくさんのお金を費やした。

「鳥は白黒の方がいいのか?カラフルな方がいいのか?」
「線を引くのは絵の具か?墨か?インクか?マーカーか?ペンか?」
「書くのは画用紙か?ケント紙か?和紙か?キャンバスか?」
「顔と体を比べたら顔が大きい方がいいのか?体が大きい方がいいのか?」
「顔は無表情の方がいいのか?表情がある方がいいのか?」
「足やお尻の羽はある方がいいのか?ない方がいいのか?」
「羽は真っ直ぐ生えてる方がいいのか?曲線の方がいいのか?」

たくさんたくさん考えて試して失敗して
稲垣尚毅が辿り着いたのは
「鉛筆で画用紙に書く」という1番シンプルな手法だった。

それもコントロールの利かない
利き手と逆の左手で書くというもの。

言うことの利かない左手が
言うことを効きすぎる右手では決して創れない世界を創ってくれる。


これが稲垣尚毅の必死に羽をバタつかせて飛ぼうとしてきた足跡だ。

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©現代アーティスト 稲垣 尚毅